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地方自治体による事業者支援④【千葉県千葉市】

地方自治体による事業者支援④【千葉県千葉市】

政令指定都市の千葉市は、6つの行政区があり、人口は約100万人、都心まで30Kmの距離、市内はモノレールが走っている都会です。東京湾沿いの京葉工業地帯の中心であり、千葉港は日本三大貿易港だそうです(知らなかった)。

JR千葉駅は、十年間くらいの工事を終えて、やっと駅ビルが完成しました(もう5年くらい前完成かな?)。東京から快速で約40分の千葉駅で、内房線、外房線、そして成田線に分かれます。各線の最終電車は0時前後なので、東京駅発は23時20分台。私はよく乗り遅れたのですが、千葉駅のタクシー乗り場は長蛇の列です。 

千葉市の発展は、平安時代の千葉氏から始まったそうです。房総半島の上総氏と同系統の桓武平氏ですね。平将門の乱ほどに有名ではありませんが、平忠常の乱という事件を起こした平氏の子孫が上総氏や千葉氏に分かれたようです。やんちゃな東国武士だったのでしょう。 千葉に拠点を移し、鎌倉時代は有力御家人の一つとして栄え、室町時代の守護大名となりますが、戦国時代に14代、230年で滅んでしまったようです。 今は、千葉駅近くに、千葉城(亥鼻城)跡や千葉神社などがあります。 

政令指定都市だけあって、産業振興政策は充実しており、さまざまな事業者支援があります。下記はその一部です。千葉市産業支援課には「経営支援班」「経済振興班」「スタートアップ支援室」と別れているので体制としても細分化しているようです。

 

千葉市中小企業者エネルギー価格等高騰対策支援金

申請期間が、令和5年8月25日~12月15日と短い、一律10万円の支援金です。

 

中小企業である上に、下記申請要件があります。

①令和5年4月から9月までの任意の1か月において、電気、ガス、ガソリン、重油、軽油、灯油の合計金額が3万円以上であること。ただし、上記金額が3万円未満の場合は、原料、材料、仕入物品、消耗品、荷造運賃を含んだ合計金額が、令和5年4月から9月までの連続する3か月において、月平均で50万円以上あること。

②法人は、市内に本店を有すること。個人事業者の場合は、市内に住所を有すること又は市内に主たる事業所を有すること。

③今後も市内で事業継続する意思があること。

 

申請はオンラインでも可能で、申請書類は申請書、誓約書、同意書、通帳の写し、確定申告書の写し、本人確認書類の写し(個人)、国民健康保険料等の写し(個人)等、そして電気料、ガス料の場合:利用額、利用者及び利用月が確認できる領収書など。 原料、材料、仕入物品、消耗品、荷造運賃を含んだ合計金額を計算しなければならない場合は、かなり面倒です。

 

当職は、令和4年度にお手伝いしたことがありますが、スキャナー機能付き小型プリンターのノートパソコンを持ち込み、オンライン申請が完了するまでに2時間くらい掛かった記憶があります。パソコンの扱いに不慣れな事業者さんだと、コンビニでコピーを取るだけでかなりのページ数になります。

 

千葉市の商店街振興支援制度

商店街共同施設整備事業

商店街の振興又は商店街来街者の安全・安心な環境維持のために、商業団体が実施する商店街共同施設整備事業に要する経費について補助金。

 

商店街共同施設とは、アーチ、アーケード、防犯カメラ、カラー舗装、駐車場、放送設備、映像設備、その他市長が適当と認める施設。

補助金額は、商店街共同施設の設置の場合は最大2000万円で補助率2/3、修繕費の場合は最大1000万円の補助率2/3

(なかなか大きな補助金ですね。)

 

商店街高度化事業

地域住民等のニーズや商店街を取り巻く外部環境の変化を踏まえた上で、地域経済の持続的な発展を図るために実施する商店街の中長期的発展及び自立化の促進に寄与する商店街施設の環境整備事業等に要する経費についての補助金。(長い文章で意味がよくわかりませんね)

① 研修会等設置事業(1~3年度事業):事業趣旨に沿った事業推進体制の確立及び事業運営の円滑化を図るための研修会等を実施する事業。補助対象経費は、報償費、交通費、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、委託料、使用料及び賃借料。 補助率 1/2以内(補助期間3年間)の補助限度額 20万円/年。

 

② 基本計画策定事業(1つの事業につき 1 カ年度まで): 事業趣旨に沿った基本計画を策定する事業。補助対象経費は、委託料(設計費を含む)で、補助率 1/2以内の補助限度額 300万円。

③ 実施計画策定事業(1つの事業につき 1 カ年度まで): 事業趣旨に沿った基本計画に基づく実施計画(基本設計を含む)を行う事業。補助対象経費は、委託料(設計費を含む)で、補助率 1/2以内の補助限度額 200万円

④ 環境整備事業: 事業趣旨に沿った基本計画及び実施計画に基づく商店街施設の建設等を行う

事業。 補助対象経費 は工事請負費(設計管理費、工事費)で、補助率 1/2以内の補助限度額 2億円

 

(どんな事業なら対象になるのか、相談してみないとわかりませんね)

 

商店街街路灯補助金

商業団体が商店街の街路灯を管理(電気料)・修理・設置・撤去をする場合、その費用の一部を補助するもの。

① 管理費補助金: 対象経費は、街路灯の電気料で補 助 率75%

② 設置費補助金:対象経費は、街路灯の新規設置費用、補助率:2/3(補助額上限は 16 万円)

③ 修理費補助金:対象経費は、街路灯の修理費用(基礎工事、塗装工事、LED から LED の電球交 換、LED 化するための電球交換に限る)、補 助 率:1/2(補助額上限は、基礎工事 2 万円、塗装工事 1 万円、LEDから LED の電球交換 1 万 5 千円、LED 化するための電球交換2 万 5 千円)

④ 撤去費補助金:対象経費は、街路灯の撤去費用、補 助 率:1/2(補助額上限は4万円)

 

(これを成田市が真似したのかな?)

 

地域活性化支援事業

地域の生活課題の解決やまちづくりに向けた、区民が主体的な取り組みに対し、活動資金の支援を行い、公益活動の推進と自立的、継続的な活動の発展を目指す制度。区ごとに条件や応募資格が細かく設定されていますので、募集要項等で確認が必要です。

 

特定創業支援等事業

千葉市が実施する「特定創業支援等事業」は、創業者の経営、財務、人材育成、販路開拓等の知識習得を目的としたもので、この認定者は、登録免許税の軽減等、各種の支援を受けることができます。 創業セミナー等は、千葉市産業振興財団、千葉商工会議所、千葉県信用保証協会、千葉大亥鼻イノベーションプラザ、CHIBA-LABO が開催しており、創業者は開催日程を確認して計画的に認定を受ける必要があります。

 

千葉市創業支援補助金

特定創業支援等事業を受講した意欲ある市内創業者に対し、創業に必要な経費を補助するもの。

対象事業者は、①補助金交付申請時点で創業2年以内の創業者又は創業予定者。②特定創業支援等事業(創業者向けセミナー等)の全日程を受講した創業者又は創業予定者(受講から 2 年以内)。補 助 率 1/2の補助上限額:は30万円

 

募集期間 : 令和5年4月17日(月)~ 令和6年1月31日(水)

 


その他、融資、セミナー、無料相談など、支援策はてんこもりです。支援団体も多いので、全体を把握して、個別に各事業者へ案内できる人がどれくらいおられるのか心配になってきます。 事業者にとって、支援団体や相談窓口が多過ぎて、たまたま出会った支援者によって進め方や支援内容が変わってしまうことを危惧します。