成田市といえば、初詣の寺院参拝客数日本一、年間4千万人の参拝者が訪れる成田山新勝寺と、貨物取扱量No.1の成田空港を思い浮かべる方が多いでしょう。 人口は約13万人、農業人口は減少傾向も、空港関連産業やゴルフ場が多く、観光収入や空港の固定資産税収入によって全国でも有数の財政の豊かな市だそうです。
飛行機に乗って見下ろしてみると、成田空港の周りはゴルフ場だらけです。都心より50Km以上離れているので、比較的安くプレーできるところが多いですね。
成田市の事業者支援政策もいろいろありますが、ここでは成田市創業支援補助金と、成田市商店街共同施設設置事業等補助金をご紹介します。
成田市創業支援補助金
成田市創業支援補助金は、産業の振興及び活性化を図ることを目的とし、成田市で創業を増やすための補助金です。補助金上限は50万円(補助率1/2以内)、ただし、その内広報費の上限は25万円。
補助対象経費は以下の通りで、細かい例外がいっぱいあり、かつその期間は「補助金の交付申請年度内かつ創業の日から 6 か月を経過しない日まで」となっており、要注意点が多い補助金です。
・創業に必要な官公庁への申請書類作成等に係る経費
・店舗等借入費
・設備費
・工事費
・広報費
申請書類は以下です。オンライン申請はなく、紙の申請書類提出になるようです。
①事業計画書
②収支予算書
③創業支援補助金推薦書(成田商工会議所又は成田市東商工会にて発行)
④市税の納付状況を確認できる書類
⑤個人事業者(法人にあっては代表者)の住民基本台帳法に基づく住民票の写し
⑥登記事項証明書の写し(法人ですでに登記を済ませている場合に限る。)
⑦個人事業の開廃業等届出書の写し(個人事業者ですでに開業している場合に限る。)
⑧営業許可証の写し(許認可を必要とする業種で、すでに許認可を取得している場合に限る。)
⑨補助対象経費の内訳を説明する書類
⑩そのほか市長が必要と認める書類
上記①②の書類はフォーマットを見る限り、融資申請書類と似ており、10ページくらいの事業計画書を求められる国の補助金より簡単そうです。 ③の推薦書を入手するために成田商工会議所・成田市東商工会の担当の方に相談してみるとスムーズに進むのではと推測します。商工会議所か商工会かは事業者の住所で決まるので、どちらかに電話で確認することが早いでしょう。
成田市のホームページを見る限り、細かい条件や例外が多いので、創業計画を考え始めた頃から、成田市、または商工会議所・商工会に相談することがポイントになりそうです。
成田市商店街協同施設設置事業等補助金
成田市商店街協同施設設置事業等補助金は、商店街の環境整備・商業の振興のため、共同施設の運営に係る経費の一部に対する補助金なので、一事業者に対してではありません。
対象団体は、5者以上の商業者で組織されていることで、その内2/3以上が中小商業者であること(大企業が含まれていても1/3以下ならOK)
補助対象経費は、街路灯中心にかなり細かい指定があります。
・装飾街路灯、アーチ、アーケード,駐車場等の設置費用:1基20万円まで、補助率2/3
・装飾街路灯の修繕費用: 1基10万円まで、補助率2/3
・LED換装(既存の装飾街路灯の電球を新たにLED灯に変えるもの) 上限2.4万円か4万円、補助率8/10
1灯式は24,000円、2灯式は40,000円を上限とする
・既存の装飾街路灯の撤去費用:1基6.6万円まで、補助率2/3
・装飾街路灯の電気料金(1月分から12月分): 補助率7/10
驚くことは、1団体の年度の補助金総額が2,000万円と大きな補助金です。上記の設置、修繕、撤去の費用、及び電気代まで組み合わせて補助されるということで、他の市町村にはない特徴です。
申請方法は、毎年5月までに、見積やその内容等がわかるものを用意し、成田市商工課へ相談するところから始めることになります。工事の発注は、補助金の交付決定後ということで注意が必要です。
これなら、小規模な商店街・商店会でも、計画的にLED灯への切り替えや、駐車場の設置などに数年がかりで取り組めそうです。 そういえば、JRと京成の成田駅周辺は門前町であるだけでなく、綺麗に整備されている印象があります。 外国人の訪問者も多いでしょうし、飲食店やお土産屋など多様なお店が繁盛していそうですね。
「環境整備・商業の振興のため、共同施設の運営」が目的なので、商店街のイベント、モニュメント、販促物などの費用と組み合わすことができれば、更に効果的ではないかと考えます。
備考
成田市は、新規就農関連やイノシシなどの鳥獣対策などの農業関連施策が多い印象です。国から地方交付金が出ないほど、財政的に豊かなのであれば、、将来の農業と商工業のために、効果の高い事業者支援政策をもっと積極的に行って欲しいところですね。
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