5つの競争要因を考えるとき、25年ほど前から約10年間のカメラ業界を思い出します。19世紀からの伝統的な銀塩カメラや日本独自のインスタントカメラ全盛の中、三洋電機が元気だった頃にデジタルカメラ(数十万画素しかなかった)が登場し、センサーではソニーが独り勝ち、その後銀塩カメラは完全に駆逐、デジタルカメラも高級機のみ生き残り、ケータイやスマホのカメラ機能に代替されていくそのスピードに驚いたものです。
SNSという単語がなかった頃で、SNSがカメラ文化を進化させたんですね。
ある米国通信会社が1990年頃、小型カメラセンサー付ケータイ(当時米国でカバンサイズのケータイが$2000で販売、日本は市場ゼロ)のコンセプトを持っており、NDAを結んでの技術会議でしたが、めっちゃ驚いたのを覚えています。通信速度やメモリー容量も気になったし、そんな小さなところに画像処理回路を入れるのか(もうワンチップ化してましたが)、当初は否定的に感じたものでした。
この期間は5つの競争要因が複雑に絡み合い、PCやインターネットの普及、メモリーの大容量化、センサーの高画質化、ハードウエア全体の低価格化の中、凄まじい世界にいたんだなあって今更ながら思います。
でも過去問をやると間違えてしまいます。 ポーターさん、現場はそんなに単純じゃないよって言いたくなる問題ばかりです。